ぼんくら大臣は今宵も…

リボンの騎士 ザ・ミュージカル。初日に続き、15日夜公演を見てきました。
初日は24列目だったので、細かい表情なんかは全くわからなかったのですが、
今日は13列目ということで表情の演技を楽しむことができました。
歌舞伎町で飲んだあと、いい気持ちで書いてたらムダにだらだらと
長くなりすぎたので隠します。


あややフランツ
初日を見た後に熱望していたように、あややのフランツが見たくて今日のチケットを
取りました。いや〜、あややは期待を裏切らなかった!
初日に見た時は、なぜフランツがそこまでサファイアにときめいたのかが全く
わらかなかったのね。そこまで恋焦がれるほど、運命的な出会いだったのかと。
でも、あややフランツが亜麻色のヅラの乙女に「踊っていただけませんか?」と
手を差し伸べた時の目は、完全に恋をした人の目だった。
あのあややなら抱かれてもいいわ(キモッ)とは思わないまでも、とっても素敵な
王子様でした。
あと、歌のうまさはさすがだったかな。
戦いの時の「おおおおおお…お〜お〜」の勇ましさには目がになってもうた。


サファイア
今日はエレジーズ以来、高橋愛を見直しました(上から目線で申し訳ない)。
ぶっちゃけ、初日に24列目で見た時の第一印象は「ちっちゃ!」。
背が小さいうえに初日の硬さも相まって、うまさは感じたけど伝わってくるものが
希薄だった。
でも、今日は全然違った。近くから見ていることもあって身長は気にならなかったし、
歌声は誰より響いていた。
そして何より、サファイアという役に対する深い思い入れがビンビン伝わってきた。
なんだろな。歌もセリフも胸の中にまで入り込み、振動し、共鳴する感じ。
長い階段を下りる時も、ハロメンで一切下を見ないのは愛ちゃんだけ。
主役のプライド、宝塚ファンのプライドを見せつけられた思いです。
ブラボー!


◎大臣
王の死の場面で、よっすぃ〜の表情と背中の演技を堪能できました。
王と談笑しながら試合を見ている大臣。
悪事を企んでいる人とは思えない、柔らかくて優しい笑顔…。
その後、自分も試合をやりたいというフランツと嫌がるサファイアとの試合を
無理やり取りつけ、剣を持ってきたナイロンに耳打ち。
この時の不敵な笑顔…。
この笑顔の使い分けは印象的だった。
そして、望んでいたサファイアではなく王が死に、一人壇上で背を向けた大臣は、
その背中でとまどいやうろたえ、逡巡を表現。
迷いを浮かべた小さな背中にさっきの優しい笑顔がよみがえってきて、ちょっと
目頭が熱くなってしまった。そのあとに続く、
♪あなたは王子を殺し 国を乱して シルバーランドに攻め込もうとしたのだー
のメロディーがドラマティックなだけに、マジで涙腺やばかった。


◎本日の大臣と魔女
今日も今日とて、迫力満点でした。
まずは脱帽した大臣が長い前髪を垂らし、苦悩する表情がセクシーでヤバイ。
そして、息子への無償の愛を歌っている最中に舞台が回転しながらせり上がって
くると「キタキタキター」状態。
轟く雷鳴の中ヘケートが登場し、オルガンの音が鳴り響くと、もうそこは完全に
二人の世界。
私はちょうどよっすぃ〜の背中の延長線上にいたんで、魔女に見下ろされてる感を
体感できたのだけど、この時の魔女の妖艶さはこれまたヤバかった…。
私はMではない。というかむしろS気質なんだけど、ヘケートに見下されてる感は
心地よかった(病気だなもう…)
照明も音楽もスリリングなこの場面、実は二人の台詞のやり取りも相当スリリング
だったりする。
ここは、ミキティの歌と歌の間に台詞を言い終わらなければならない制約があるの
だけど、間に合わせるために早口になるとセリフが観客に伝わらないわけです。
で、恐らくは意図的に、よっすぃ〜が相当セリフのテンポを落としているので、
ちゃんとバンドの演奏に合わせられるのかハラハラしてしまった。
初日は確か、

(0´〜`)<二つのうちの一つ?
川釻v釻)<いいものをやろう。
(バンド)<ジャン!

で決まったと思うんだけど、今日は、

(0´〜`)<二つの (バンド<ジャン!)うちの一つ?
川釻v釻)<いいものをやろう。

くらいのタイミングだった(ちょっとあいまいだけど、かなり早いタイミングで
ジャン!がきた)ので、ちょっぴりドキミキでした♪
一体、どのタイミングで「ジャン!」が来るのが正解なんでしょうね?


◎ナイロン
初日に見た時は、ひたすら淡々とした印象を受け、物足りなさが残った麻琴の演技。
近くで見ると、結構細かく表情で演技していることがわかりました。
ただ、絶対うしろのほうにはあのコミカルさは伝わってない。てか見えない。
もうちょっとオーバーな演出で三枚目な部分を強調するなりして、色をつけてあげて
もいいんじゃないかなぁ。それができる子だし。
劇中二度ほど「話が前に進まない」というフレーズがあるように、大臣、ナイロン、
息子の三人は進行役や前後のつなぎ役を兼ねていると思うのだけど、ナイロンが
あまりにもバランサーに徹しすぎている気がしてならないのね。
各登場人物に一度はアクセルベタ踏みの見せ場が与えられているのに、麻琴だけ
60㎞/hの安全走行みたいな。
歌としては唯一の見せ場といっていい『ウチワ』の歌も裏声で終わってしまうから、
聴いてるほうとしても消化不良なのかもしれない。
マコ、もうちょっと冒険して地声の限界までチャレンジしようよ!
でも、近くで見ている分にはGJ!な演技だったし、うしろにいたお子様が一番
受けていたのも、麻琴の演技だったことを付け加えておきます。


梨華ちゃん
石川梨華のギラギラぶりは、保田圭師匠を超えたなと思いました。
淑女であそこまでギラつく意味は?(笑)
牢番ピエールであそこまで前のめりになる意味は?(笑)
そういうとこ好きです。


◎王妃の告白
乾杯後のマルシアの狂気の沙汰っぷりには毛穴という毛穴が開く。
よろめいて抱きついた大臣に振り払われたあと、コートをワッサーと脱ぎ捨て、
狂っていく王妃の怪演は息を飲むド迫力なんですが、実はこの時、大臣の目の
演技もすごいんです。
邪悪。
狂ったように邪悪。
ヘケートにコントロールされた王妃が「♪オンナですぅ〜」ギャーハッハと告白した
あと、薄笑いを浮かべながら目をひんむく大臣のすさまじさといったらもう…。
ここから第一幕の幕が下りるまでは息もつかせないほどのオンナ!オンナ!オンナ!
のコーラスで畳み掛け、サファイアの頭上から王冠を奪った大臣が息子を玉座
座らせると、それまで暗かった舞台が一気に明るくなるんですが、もう、毛という毛が
逆立ちそう(笑)
「私の息子が王だ!」と声高に叫び、高々と王冠を両手で掲げる大臣。決まったっ!
そして、大臣への憎しみに完全に支配されてしまったサファイアのすさまじい視線が
客席を射抜く。
「これってホントにハロー!プロジェクトの舞台?」とあらためて自問してしまうほど、
第一幕のエンディングは圧巻です。
隣の愛ヲタ号泣。ブラボー!ブラボー!